彼との関係が突然断たれた・・
何度連絡しても「お客様のご都合によりお繋ぎ出来ません」
auからの繰り返し流れるアナウンスを何度も何度も耳にした
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8月の初旬・・
突然その日は訪れた・・
今日もあのアナウンスを聞くことになるんだろう・・
そう思いながら家電話からピポパ・・とダイヤルすると・・
「プルルルル・・プルルルル・・ ・・」
呼び出し音が鳴っている・・ ・・!
彼の携帯番号が登録してあるケータイからかけている訳ではないので・・
番号を押し間違えたのかと思い、一度・・家電話の受話器を置いた・・
フーと深く呼吸を整えて・・
もう一度彼の携帯に電話してみた・・
「プルルルル・・プルルルル・・ ・・」
「間違いない・・アナウンスが流れない・・」
何故、突然連絡が取れるようになったのか・・
頭の中でパニックになり
その場でウロウロした・・ ・・
そのとき・・
受話器の向こうで声がした・・
「もしもし?」「もしもし?」
その声が彼のものなのか・・
一瞬の戸惑い・・
目の前がグラグラしながら
「どうしよう どうしよう・・」
「声を出さなくちゃ・・無言電話になっちゃう・・」
わかっている・・
なのに・・
声が出ない・・
自分では「もしもし?」とこちらも問いかけているつもり・・
でも声が出ていない・・声が出ない・・出せない・・
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プツっと・・
向こうから電話が切られた・・
そりゃそうだよね・・
無言電話だもの・・
気味が悪いもの・・
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「果たして・・電話の相手は彼だったのだろうか・・」
「それとも・・まったく別の相手・・ ・・?」
自問自答を繰り返すそのとき・・
わたしのケータイが鳴った・・
聞きなれた着うたが流れる・・
「あ、電話・・」
画面を見ると・・
!
彼の名前が表示されている
!!
「もしもし?」
「もしもし・・ ・・」
約1ヶ月間・・
連絡の取れなかった期間を埋めるかのように・・
ふたりは会話をはじめた・・
驚くことの連続・・
突然連絡が取れたことだけでも驚きなのに・・
電話口から聞こえる彼の声・・
この1ヵ月間に彼の身に起きていたこと・・
驚きはどこまでも続き・・
こういうときに・・
なんて声を掛けてあげたら良いのか・・
そんな自分がもどかしくて・・
そんな自分に腹が立った・・
こんなときに限って・・
どうして適切な言葉が思い浮かばないのだろう・・
それでも・・
わたしの声が聞けて嬉しいと・・
彼はそう話してくれた・・
それはわたしも同じだった・・